ご挨拶

 このたび、第37回日本生体磁気学会大会を開催させていただくことになりました。コロナ禍による諸情勢変動の関係で企画が遅れておりましたが、みなさま方のご助力を得て、2022年6月14日、15日の2日間、札幌においての実施案をご報告できることになりました。
 高感度の磁力計の開発によってもたらされた生体磁気計測は、1986年の本学会創設より着実にその基礎、臨床への応用と歩みを進めてまいりました。磁気と表裏一体の電場計測を扱うのみでなく、磁気の生体への影響を含めた研究活動を行なっているのは、諸外国と比較しての本邦の特徴です。
 本大会では生体磁気、電場に関わる計測方法、逆問題解法を含む解析方法の開発、計測対象を異にする脳磁図、脊磁図、心磁図のほかに、磁気刺激、磁場影響のように外界からの影響など、学会設立時よりの中心演題を扱います。また、磁気共鳴画像など他計測法との協同計測、中枢神経、末梢神経、呼吸・循環器疾患への診断、治療への応用など、本学会とともに広がってきた領域も含まれます。医学系および工学系の方々が一堂に会する年1回の機会ですので、ご専門以外の情報収集が効率的にできる場を設定したいと思います。
 この2年間、30数年間続けてきた研究成果発表の体制変更が余儀なくされました。記録、解析作業も、予定通りには進んでいないものと思われます。その反面、未来を創るための考える時間を暫時とることができました。その間に芽生えた小さな創意、工夫をより発展させていくのには、共に語らう場が必要です。以前のような完全対面とはならないかもしれませんが、新たな手段も交えた交流で、次世代に向けての飛躍の場にできればと思います。
 涼しく爽やかな札幌において熱のこもった議論ができますよう、多くの方々のご参加をお待ちしております。

第37回日本生体磁気学会大会 
大会長 長峯  隆 
(札幌医科大学 医学部 神経科学講座 教授)

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